カート放棄の理由をいくつか挙げてみましょう。購入を決めるまでにもっと時間が必要ですか?別のサイトでより魅力的な商品を見つけましたか?気が変わりましたか?これ以外にもあるでしょう。

カート放棄とは?

気に入った商品を見て「カートに追加」をクリックした後、何らかの理由で購入に踏み切れないということは、誰にでもあることです。消費者にとっては何でもないことですが、サイト運営者にとっては、カート放棄は最大で年間180億ドルもの売上損失を意味するのです。

カート放棄の原因とは?

カート放棄の原因は、単なる「ウィンドウショッピング」や後で戻って購入するつもりである場合もありますが、多くの場合、ユーザー体験の質の低さを示しています。最近の統計によると、オンラインユーザーの24%がサイトで新しいアカウントを作成する手間を嫌ってカートを放棄し、17%が購入手続きが長く複雑なために購入を完了できず、22%が配送に時間がかかるために離脱し、9%が支払い方法が限られている場合に購入を断念しています。

カート放棄率の軽減には、ショッピング体験の課題を特定、改善、排除するなどの対策が必要です。そこで役立つのが、CDPテクノロジーです。

CDPがカート放棄率の軽減に貢献する理由

CDPは、複数のソースから顧客データを収集し、豊富で文脈に応じた顧客プロファイルを構築します。これらのプロファイルは、顧客行動(カートを放棄したかなど)に関するリアルタイムのインサイトだけでなく、ユーザーが購入した商品、興味を示した広告、訪問した店舗などの履歴情報も提供します。それだけでなく、CDPは、カート放棄したユーザーを特定し、正確な離脱ポイントを特定することで、購入を中止した理由を把握するのにも役立ちます。この貴重なデータを活用して、最も効果的な対策を打つことができます。

購入手続きの簡素化

マーケターは、ユーザーが離脱したポイントや理由を分析した上で、余分な登録手順を省いたり、購入手続きをモバイル用に最適化したり、ゲスト購入手続き機能を追加してアカウント登録をしなくて済むようにする判断ができます。

カート放棄対策

CDPは、カート放棄の原因を特定するだけでなく、メール、モバイル、SNSやWeb広告のリターゲティングキャンペーンの関連性を高めることで、購入を完了するよう促すのにも役立ちます。個々のユーザーに適したチャネルで適切なタイミングでリーチするリターゲティングキャンペーンを実行することで、コンバージョンの可能性を高めます。特に、ユーザーの好みに合わせてメッセージをカスタマイズした場合、その可能性が高まります。調査によると、ユーザーの52%が、オファーが常にパーソナライズされていることを期待しています

カート放棄メール

効果的な方法としては、購入を決めかねているユーザーに対して、ユーザーが求めるタイミングや内容でカート放棄メールを送ることです。統計によると、カート放棄メールの45%が開封されています。このうち、21%がリンクをクリックしてサイトを訪れ、メールコンテンツにエンゲージしたユーザーの50%が購入を完了しています。

リターゲティング

リターゲティングも有効です。CDPのセグメンテーション機能と信頼性の高いファーストパーティデータを活用すれば、カート放棄した理由に応じて広告をカスタマイズできます。例えば、送料が決定的要因であったのであれば送料無料にしたり、初めてのユーザーやリピーター向けに特別割引コードを作成して、再び購入手続きへ進むよう誘導することも可能です。

最適化

カート放棄を削減するのは、一朝一夕にできることではありません。購入手続きの改善に重点を置いている場合でも、パーソナライズしたリターゲティングキャンペーンの作成に重点を置いている場合でも、繰り返し行うことが重要です。A/Bテストは、どのような変更が最良の結果をもたらすのかを確認するのに役立ちます。CDPを使用すれば、正確で最新の顧客データを収集、検証、セグメント化して、A/Bテストプラットフォームに送信し、最高のパフォーマンスを発揮するソリューションをテスト、改良、展開できます。

Sitecore CDPとカート放棄

Sitecore CDPを活用すれば、ユーザーがカート放棄した商品を追跡し、高度なディシジョニング機能を使って、カートに入れた商品を想起させ、カートに入ったままであることを思い出させるメールや広告を送信して、ユーザーと再びエンゲージすることができます。ユーザーの好みや過去の購入履歴に応じて、興味を引きそうな別の商品のアップセルやクロスセルを行ったり、特別割引を提供したり、インセンティブとして無料配送を提供するなどの施策が可能です。

Fiona Hilliard is a Content Marketing Manager at Sitecore. Connect with her on LinkedIn.