ユナイテッド航空は、クラス最高のデジタルエクスペリエンスを演出する上で、コンポーザブルアプローチが重要であることを認識しており、Sitecoreはその戦略をあらゆる段階でサポートしています。

コンポーザブルな未来を受け入れる

シカゴに本社を置き、世界中で7万人の従業員を有するユナイテッド航空は、北米で最も包括的な路線網を誇る、世界トップ5の航空会社の1つです。

ユナイテッド航空でSitecoreデベロッパーを務めるボブ・ディエゲス氏は、Sitecoreとのジャーニーは6年前にSitecore Experience Platform(XP)から始まったと説明しました。同社は現在、XPを使用してトラフィックの多い3つのアプリケーションを運用しています。これらの取り組みは2017年から2019年にかけて開始され、以下が挙げられます。

  • FlyingTogether:従業員と請負業者向けのグローバル社内ポータルサイト
  • WingTips:ポリシーと手続きに関するリソース
  • パイロット専用の情報ライブラリー

ポータルは世界で7万人を超える従業員が使用し、250人以上のコンテンツ作成者がコンテンツを更新しています。

2021年に新型コロナウイルス感染症に関連して複数のプロジェクトが中断した後、ユナイテッド航空はAmericaneagle.comと契約し、Sitecore Experience Manager(XM)Sitecore PersonalizeSitecore CDPをクラウドで利用するSitecore XM 10へのアップグレードに取り組みました。

コンポーザブルに切り替える理由

Americaneagle.comでグローバルSitecoreプラクティスディレクターを務めるジョン・プライス氏は、コンポーザブルなアプローチを導入すると、テクノロジーがビジネスの方向性を決定するのではなく、企業が意思決定を行うことができると説明しています。このアプローチでは、「これはそういう仕組みだから」、「それがつきものだから」という考えから離れることができます。高度にコンポーザブルなシステムは、個別のユーザー要件を満たすためにさまざまな組み合わせで選択し、構築することができるコンポーネントを提供します。

コンポーザブルアプローチへの切り替えは、どのような時でも意味がありますが、特に新規プロジェクト、アップグレード、新規ビルドの際に有効です。ユナイテッド航空にとっては、まさにこのタイミングでした。

ユナイテッド航空の既存のソリューションは6年かけて構築され、 複数のチーム、代理店、デベロッパーがこのソリューションに貢献しました。その間、マーケティングエージェンシーとクリエイティブエージェンシーは、パーソナライズとアナリティクスを洗練させる作業を行っていましたが、次にできることは何かを検討していました。

コンポーザブルの機会

パンデミック後、ユナイテッド航空は従業員数を7万人から10万人に増やすことを計画しています。この野心的な目標をサポートするには、柔軟で拡張性の高い将来を見据えたソリューションが必要です。アップグレードやメンテナンスに費やす時間と労力を減らし、機能開発とビジネス価値の向上により多くの時間を費やしたいと考えています。

新しいアプローチの採用

ユナイテッド航空では、従業員ときめ細かくコミュニケーションをとる必要があり、従業員一人ひとりに合わせたエクスペリエンスを提供するワンストップショップとしてFlyingTogetherポータルを構想しました。たとえば、新入社員がログインすると、新入社員研修の資料を中心にパーソナライズされた体験が提供され、他の従業員には職務や勤務地に関するコンテンツが表示されます。

ユナイテッド航空の以前のスタックは以下で構成されていました。

  • Sitecore Experience Platform(XP)
  • コンテンツ管理XMとアナリティクス、パーソナライズ、A/Bテストを組み合わせたオールインワンDXP
  • メールキャンペーンの作成に使用する、XPの一部であるEmail Experience Manager(EXM)。ユナイテッド航空は年間およそ200万件のメールを送信していました。
  • Coveo(フロントエンド検索用)
  • 内部ホスティング、データセンター

Sitecore Experience Platform(XP)からSitecore Experience Manager(XM)への移行により、ユナイテッド航空はコンテンツ管理に重点を置くことができるようになりました。

パーソナライズ、A/B テスト、パーソナライズ用に人事データを組み込む機能などの複雑なユースケースのために、同社はSitecore PersonalizeとCDPを選択しました。この合理化されたソリューションにより、メンテナンスが減り、ビジネスチームとコミュニケーションチームの柔軟性が高まり、他の事業部門もこのテクノロジーを導入して使用開始できるようになります。PersonalizeとCDPの利点は、あらゆるテクノロジースタック、コンテンツ管理システム、モバイルアプリに適用できることです。

ユナイテッド航空はCoveoを維持し、Salesforce Marketing Cloudを追加し、Sitecore Managed Cloudへ移行しています。

成功のための枠組みを設定する

ユナイテッド航空はSitecoreとAmericaneagle.comと共に、インスピレーションデー ワークショップに参加して問題点を特定し、3〜5年のロードマップでKPIと優先順位を設定しました。

 

Sitecore Personalizeの活用

PersonalizeとCDPは、関連コンテンツや推奨される次のステップをユーザーにシームレスに提供します。ユナイテッド航空の人事システムから人事データ(氏名、勤務地、部署、職務)を読み込み、ユーザーがホームページへ訪問した際にディシジョニングモデルを有効にすることで、非常に効果的なパーソナライズされたエクスペリエンスが作成されます。

Sitecore Personalizeのようなコンポーザブルプラットフォームに切り替える大きな利点は、他の事業部門がSitecore以外のサイトにこのテクノロジーを適応して、活用できるようになることです。

 

Sitecore Symposiumのためにシカゴ・オヘア国際空港を利用した人は、空港のゲート情報を表示するデジタルサインを間違いなく目にしたことでしょう。この大部分は、Sitecoreテクノロジーによるものです。今後、ユナイテッド航空の空港デジタルディスプレイはすべてSitecoreから提供される予定です。Personalizeを活用して、フライトの遅延などの旅行に関する最新情報のメッセージをカスタマイズしていきます。

コンポーザブルアプローチの利点

ユナイテッド航空は、来年第1四半期に、コンポーザブルを全面展開する予定です。ただし、Sitecore PersonalizeとCDPはアジャイルな方法で実行できるよう設定されているため、両製品に関してはその時期まで待つ必要はなく、すでに機能を活用しています。

同社はコンポーザブルアプローチへの移行に関連して、以下のような多くの利点を挙げています。

  • 集中アップグレードの頻度の減少 - アップグレードが25%以上削減
  • ホスティング費用の削減
  • データ管理の軽減
  • メンテナンスにかかる時間が短縮され、将来の開発に時間をかけられる
  • 開発ライフサイクルの短縮と市場投入までの時間の短縮
  • より多くの機能とリリース、およびSalesforce Marketing Cloudなどの他のシステムとのプラグアンドプレイ機能

Sitecoreのコンポーザブルソリューションの詳細は、Sitecore PersonalizeおよびSitecore CDPをご覧ください。

フィオナ・ヒリアードは、Sitecoreのコンテンツマーケティングマネージャーです。LinkedInでつながる