マーケティングにおける顧客データがかつてないほど重要になる中、その管理に関する課題は増加しています。
一つ目の課題は、顧客データの収集です。コミュニケーションチャネルの急増、Eメールの自動化、ソーシャルメディアの管理と自動化まで、チャネル管理が煩雑化する中でのデータの収集は容易なことではありません。
二つ目の課題は、顧客データのひもづけです。さまざまなデータソースを相互にうまく機能させるだけでなく、各ソースからのデータを該当する顧客に確実にひもづけしなければなりません。
さらに、データを分析して、有意義な相関性を見いだし、それに基づいて対応できるようにする必要があります。それらすべてを、安全で法令に準拠した方法で行うことも重要なポイントです。
顧客データ市場はなぜわかりにくいのか
顧客データの活用によってもたらされる膨大なメリットとデメリットを考えると、顧客データソリューション市場が急拡大していることも不思議ではありません。自社特有のビジネスニーズに適したソリューションを決定しかねている企業は増えています。そのような企業には、SitecoreのCDP、デジタルマーケティングプラットフォーム(DMP)、顧客関係管理(CRM)の各ソリューションの分類とそれらのユースケースが役に立つでしょう。
より効率的なセグメンテーションプロセス、高度なパーソナライゼーション機能、行動/CRM/トランザクションのデータに基づいた顧客の360度ビュー、データを活用したインサイトに基づいた効果的なキャンペーンと有償メディアの利用を検討している企業があれば、それはCDPを導入することで解決します。CDP Instituteによると、CDPとは「他のシステムにアクセスできる一元管理された永続的な顧客データベースを作成する」「パッケージソフトウェア」であり、上記に提示された課題を解決するソリューションです。
(この定義の詳細は、こちらをご覧ください。)
IDCがCDPの理解をサポート
CDPを検討するにあたり、特定のプラットフォームに絞り込むことは適切な判断です。しかしそれ以外にも多くのことを検討しなければなりません。「IDC MarketScape: Worldwide Customer Data Platforms Focused on Front-Office Users 2021-2022 Vendor Assessment」(以下、「IDC MarketScape: Worldwide CDP Front-Office」)には重要なことが述べられています。
IDC MarketScapeは、定量的および定性的な評価基準に基づいた厳密な採点手法を用いたベンダー評価モデルであり、特定市場におけるICTサプライヤーの概要を把握できます。IDC MarketScapeは、ソリューションベンダーを比較するための明確なフレームワークを提供しており、ITバイヤーは各ベンダーの強みと弱みを包括的に評価できます。
「IDC MarketScape: Worldwide CDP Front-Office」は、IDCのアナリストの分析によって「様々な機能が追加され、多様化する」CDP市場について理解することを目的としたレポートです。
そのためにIDCのアナリストは、「フロントオフィス」と「テクニカルユーザー」の2つのユーザーグループのどちらに適したソリューションであるかという観点から、CDP市場を2つに分けています。いずれのカテゴリーのユーザーもほとんどのCDPを活用してメリットを得られますが、非テクニカル(フロントオフィス)ユーザーはたいてい直感的なユーザーインターフェース(UI)を求めています。
同レポートは、マーケティング、カスタマーエクスペリエンス(CX)、ロイヤルティ、カスタマーサービス、カスタマーサポート、営業などの分野において直感的なUIを求めているフロントオフィスユーザーに適した12のプラットフォームに焦点をあてています。2022年の第1四半期に発行される次のレポートでは、マーケティングのテクノロジーとオペレーション、データサイエンスとアナリティクス、IT、データ運用、プライバシー、コンプライアンスといった分野のテクニカルユーザー向けにカスタマイズされた12のプラットフォームが重点的に取り上げられる予定です。
プラットフォームの分類はIDCのアナリストがユーザーグループに基づいて判断していますが、この分類は恣意的な面もあるということも述べています。
IDCによる、CDPを選ぶ際に知っておくべきこと
自社特有のビジネスニーズに適したCDPを見極めるには、ビジネス面とテクノロジー面の両方の要件を明確にする必要があります。「IDC MarketScape: Worldwide CDP Front-Office」では、以下のようにバイヤーのニーズを分類しています。
ビジネス面の基準:
- 業界
- ユーザーコミュニティ
- ユースケース
- 企業の規模
テクノロジー面の基準:
- インフラの成熟度と複雑さ
- スピードと規模
- セキュリティとコンプライアンス
- データ管理と分析の機能
同レポートでは、上記の各カテゴリーを深掘り(さらに明確にするために、付録に2つの表も掲載)しており、有益な情報を示しています。
恐らく、最も重要な情報はベンダーの分類でしょう。自社の要件を把握できたら、どのベンダーが最適かを理解する必要があります。
SitecoreがIDCによりこの分野のリーダーとして位置付けられていることは光栄であり、当社のプラットフォームが「多くの企業にとって理想的なものである」というIDCの評価を嬉しく思っています。同レポートでは、「グローバルなソリューション、サービス、サポートを必要とする 大企業は Sitecoreを強力な選択肢として考えるべきで、業界としては特に、旅行・ホスピタリティ、銀行・ペイメント、メディア・広告、小売、通信業界があげられる」と述べています。
製品は重要だが、自社のチームがより重要
「IDC MarketScape: Worldwide CDP Front-Office」について挙げておくべき重要なポイントは、Sitecoreが提唱していることにIDCが同意している点です。
同レポートでは、食料品店を例にして分かりやすく説明しています。企業が優れたテクノロジーを導入しても、ユーザーがその活用方法について教育を受けていなければ、ほとんどROIを上げられないだろうと述べています。
適切なソリューションは不可欠ですが、デジタルトランスフォーメーションには十分ではありません。デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)やCDPといった革新的なプラットフォームを最大限に活用するためには、十分に練られた戦略、熟練のエキスパートによる実装、組織の変革が必要です。
ここまで説明してきた内容は、Sitecoreが過去20年間に培ってきたエキスパート、ソリューションパートナー、戦略コンサルタントによるエコシステムによって実現してきました。Sitecoreの年次イベントであるSitecore SymposiumではSitecoreのソリューションの導入企業、ソリューションパートナー、エキスパート、コンサルタントによる成功事例を多数紹介しています。
CDPに関する詳細や、自社特有のニーズに最適なソリューションについては、こちらからレポートの全文をご覧ください。
David Schweer is Vice President of Product Marketing at Sitecore. Connect with him on LinkedIn