貴社内に存在する顧客データを考えてみてください。このデータが穀物を別々に格納した一時保存庫(サイロ)が無秩序に点在する田舎の農場のような状態になっていないでしょうか。もしそうだとすれば、貴社はほかの企業と同様、多数派です。しかしだからといって安心はできません。

データのサイロ化とは

デジタルファーストの企業にとって、データのサイロ化は至る所で見られる問題です。一般的に、サイロ化はITインフラの急激な成長や進化の結果として発生します。サイロ化は、マーケティング、営業、顧客体験、サポート、財務、人事など、あらゆる部門に影響を及ぼす可能性があります。そうした問題がビジネスに影響を及ぼしていることに気付く頃には、そのダメージを元に戻すために膨大な手間とリソースが必要な状況になっているのです。

サイロ化は、データが1つの部門やチームの内部にとどまり、社内の他の組織から切り離されたままである場合に発生します。もしも営業チームが、顧客の過去のブランド体験に関する重要な情報を参照できず、それに基づいた行動もできなければ、担当者が顧客のニーズや心情に対して誤った推測をし、不適切な提案をしてしまう可能性があることは想像に難くありません。同様に、マーケティングチームが新しいキャンペーンを開始する際、顧客ケアの現状を可視化できていれば貴重な知見を得られます。



データのサイロ化の根本原因

データのサイロ化は一般的に、競争的な社内文化、テクノロジーインフラの断片化、あるいはその両方の組み合わせから生じます。データの構造は、企業の組織や文化を反映する傾向にあります。チーム同士がばらばらに仕事をしていたり、成果を求めて互いに競争していたりすると、データのサイロ化が発生しやすくなります。

統合されたデータ戦略に基づいてインフラを集約するのではなく、事業部門ごとに異なるITソリューションを採用している場合、状況はさらに悪化します。その結果、ITスタックが分散し、部門を超えた効果的な情報共有が不可能になります。



データのサイロ化がビジネスに及ぼす影響

データのサイロ化の弊害は根深いものです。まず、組織内の人々が同じ情報の異なるバージョンを見つけて分析してしまうため、無駄な手間が生じます。これは、時間とリソースの浪費につながるだけでなく、異なる真実を発生させます。顧客に関する正確な360度ビューがなければ、顧客体験チームからカスタマーサポートチームまで、すべての人が間違いを犯すことになるのです。

このようなシナリオだけでなく、企業の経営陣が不完全なデータや矛盾するデータに基づいて新しい戦略の遂行を決定した場合の影響や、知らずにプライバシー規制に違反していた場合の罰則についても考えてみてください。また、消費者の86%が「自分の個人データの使用方法についてさらなる透明性を求める」と回答していることから、企業はデータのプライバシー管理方法についてこれまで以上にオープンになる必要があります。急成長を遂げている企業であれば、各チームが可能な限り迅速に仕事を進めなければならず、その際の情報は完全ではないことが多いため、サイロ化は不可避と思われるかもしれません。しかし多くの場合、貴重な顧客データが別々のサイロに格納されて孤立していることで発生するコストは、それを打破するために必要な手間をはるかに上回ります。顧客が不満そうであったり、既存のデータインフラから期待するROIが得られない場合は、データのサイロ化という問題の解決に取り組むべき時期かもしれません。

大手企業は、コミュニケーションとコラボレーションを向上させるためにテクノロジー戦略と変更管理戦略の両方を導入することで、既存データのサイロ化に対処できます。新しい組織や小規模な組織は、同様の原則を適用して、最初からサイロ化が生じることを防ぐことがでるのです。



カスタマーデータプラットフォームの活用方法

顧客プロファイルをよりよく理解する一方でネガティブな顧客体験に歯止めをかける最も効果的な方法の一つは、マーケティングのテクノロジー基盤としてカスタマーデータプラットフォーム(CDP)を導入することです。CDPは、ビジネスのあらゆるチャネルからのデータの収集、統合、活性化を行い、他のシステムにアクセスできるようにします。その仕組みを俯瞰的に捉えると、次のように説明できます。

  • データガバナンス:CDPは、オンラインとオフラインの情報源からリアルタイムのデータと履歴データを収集し、その情報を精査して重複を排除し、矛盾を解消します。その結果、誰もが参照できる1つの真実と、各顧客の正確な最新プロファイルを得られます。
  • 360度ビュー:顧客データが統一され、アクセス可能な状態になると、すべてのチームが顧客状況の進展を明確に把握できるようになり、各担当者は、顧客との何らかの対話を始めたり決定をしたりする前に、活動とやり取りを随時確認できます。
  • 顧客体験の向上:顧客は、企業が自分のニーズを先取りしてくれた時に反応するものです。CDPは、総合的な顧客プロファイルの提供を通じて効果的なキャンペーンや製品発売を支援し、それによって収益、ロイヤルティ、リテンションを向上させます。
  • プライバシーバイデザイン:CDPは、データセキュリティの向上とプライバシーの保護に寄与し、顧客からの信頼につながります。

ビジネスの妨げになるようなデータのサイロ化は回避すべきです。統一されたデータ基盤の上にテクノロジーを統合し、コミュニケーションとコラボレーションを重視する企業文化に進化させることで、課題を克服し、自社のデータ資産を最大限に活用することができます。

次の段階に進む用意ができたら、ナレッジセンターの記事をご参照し、CDP導入に向けたビジネスケースを役立ててください。

David Schweer is Vice President of Product Marketing at Sitecore. Connect with him on LinkedIn