カスタマーデータプラットフォーム(CDP)は、データ収集やクレンジング、データの統合や単一の顧客ビューの作成をはじめとしたさまざまなデータに関わる課題を解決します。ロイヤルティの構築から、信頼獲得、収益増加に至るまで、CDPがビジネスにもたらすメリットは多岐にわたります。ここでは、CDPを活用して優れた顧客体験を実現し、大規模なパーソナライゼーションを推進するための7つの方法を紹介します。
1. データのサイロ化を解消する
CDPが力を発揮するのはまさにこの点です。CDPはデータのサイロ化を解消することで、氏名、メールアドレス、購入履歴といった無秩序で断片的なデータをリアルタイムに収集し、実用的で貴重なデータに変換します。
関連性や分析に影響する重複したプロファイルは削除され、CDPが顧客の360度ビューを作成して、正確なデータ分析、セグメンテーション、意思決定を行い、パーソナライズされた体験を実現します。
2. AI駆動型パーソナライゼーションを最大限に活用する
AI駆動型のCDPは、履歴データとリアルタイムのデータに基づいて、パーソナライズされた顧客エンゲージメントの要素「誰が、何を、どこで、いつ、どのように」を決定する上で必要なあらゆる知見をマーケターにもたらします。
AI駆動型のパーソナライゼーションが貴重なマーケティングツールとなっている背景にはいくつかの理由があります。ブランドはAIを利用して、関連性の高い顧客に製品やサービスを勧める機会を特定できるほか、コンバージョンに至らない可能性がある顧客の予測と特定が可能になります。キャンペーンに関心のない顧客を除外してより適した顧客に重点を置くことで、時間とリソースを節約でき、顧客離れの原因となる無関係なメッセージや興味のないメッセージの送信を防ぐことができます。
3. データとプライバシーを保護する
データ漏えいの脅威が続き、一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が施行される中、ブランドにとってユーザーとの信頼関係の構築や維持がかつてないほど重要になっています。CDPは、データの一元管理(データソースをまとめ、完全かつ最新の顧客プロファイルを作成し、それらのプロファイルをリアルタイムで利用できるようにすること)によって、ブランドがデータ保護とプライバシーに関する既存および新規の法令を順守できるようにします。この一元化されたアプローチで、自社や顧客を潜在的な脅威から保護できるだけでなく、データ監査を要求された場合には迅速かつ容易な対応が可能になります。
4. オムニチャネルの顧客体験を構築する
優れた顧客体験を実現するには、オンラインとオフラインの両方で顧客の行動を徹底的に理解する必要があります。CDPは、オンラインとオフラインの情報源から収集したデータを統合して顧客ごとに1つのビューを作成し、顧客に関する深い理解をもたらします。
CDPは機械学習とAIを用いて、人口動態、地理的位置、行動といった基準に基づく顧客のセグメンテーションを行い、モバイル、メール、Webサイト、ソーシャルメディアなどのさまざまなチャネルでの適切なキャンペーンの実施を可能にします。顧客の好みが変化すると、CDPは変化に適応し、直感的に反応します。
5. 業務効率を向上させる
CDPは既存のテクノロジースタックとシームレスに統合されているため、設定費用の大幅な削減、エンジニアリング作業の時間短縮、ITリソースへの依存低減を実現します。CDPによって顧客データを誰でも利用できるようにすることで、マーケターが次の段階のキャンペーンの制作や体験の創出に集中できる一方で、ITチームは新しいデータサイエンスモデルの追跡、構築、最適化に専念できるようになります。
6. 顧客生涯価値を向上させる
顧客生涯価値(LTV)とは、顧客とブランドとの関係全体において顧客がもたらす価値の総和を指します。新規顧客の獲得には既存顧客の維持よりもはるかに多くのコストがかかることから、ロイヤルティを高める魅力的な体験を提供し、すでにコンバージョンに至った顧客も大切にすることは、ブランドにとってビジネス上理にかなっていると言えます。
予測的知見を用いるCDPによって、価値の高い顧客の特定と、関係性の高いパーソナライズされた顧客体験の提供が可能になるため、他社ブランドとの差別化を図り、顧客維持率やロイヤルティだけでなくLTVも向上させることができます。
7. 収益を増加させる
CDPは、パーソナライズされたオムニチャネル体験を実現することで顧客獲得を強化し、リテンションを後押しできる、マーケティングテクノロジースタックで最も効果的な収益創出方法の一つです。マッキンゼーによると、パーソナライゼーションによって、顧客獲得コストが最大50%削減され、収益は5~15%増加し、マーケティング投資効率は10~30%向上します。
Sitecore CDP
Sitecore CDPは、オンラインとオフラインのあらゆるチャネルからリアルタイムのデータと履歴データを集約して単一の顧客ビューを作成することで、収益、ロイヤルティ、リテンションを向上させる、先進的なカスタマーデータプラットフォームです。
Sitecore CDPのエンジニアリングプロセス全体にわたってプライバシーを考慮するシステムエンジニアリングのアプローチである“プライバシーバイデザイン”を採用することで顧客との信頼関係を構築します。リアルタイムのセグメンテーションによって、あらゆるタッチポイントで顧客の行動をトラッキングすることができます。これにより顧客の行動に応じたタイムリーなマーケティングキャンペーンを展開できるほか、オーディエンスの正確なリターゲティングを通じて広告費を削減できます。
Fiona Hilliard is a Content Marketing Manager at Sitecore. Connect with her on LinkedIn