Sitecore Symposium 2021」のブレイクアウトセッションで、ジェットスター航空のDigital Sales & Service担当シニアマネージャーであるBen Hoefel氏は、Sitecoreの最高製品責任者(CPO)であるDave O’FlanaganおよびシニアバイスプレジデントのJon Williamsと、ジェットスター航空が卓越したカスタマーエクスペリエンスを提供する上でSitecoreのテクノロジーがどのように役立っているかについて語り合いました。

長年のパートナー

カンタス航空の子会社であるジェットスター航空は、アジア太平洋地域において最大規模の格安航空会社です。ジェットスター航空は、10年ほど前、エンタープライズ規模のWebサイトの構築と、アジア市場における多言語対応を目的にSitecore Experience Managerを導入しました。

ジェットスター航空は、Sitecoreが買収したBoxeverが提供していたCDPにも精通しており、2014年以来、信頼性の高いBoxeverのCDPでパーソナライゼーション戦略を推進してきました。

パーソナライゼーションへの道

ジェットスター航空は、オーストラリア市場にオンラインの旅行代理店(OTA)が次々と参入してきた2010年代半ばにパーソナライゼーションに取り組み始めました。競合他社に打ち勝つために、ブランドの存在感を高め、コスト効率に優れた方法でJetstarairways.comに直接アクセスしてもらう必要がありました。

Hoefel氏は次のように述べています。「当社はOTAが行っていたような従来のマスメディア広告を活用したマーケティングに費用をかけるわけにはいかなかったので、予約の流れ、つまりコマースエンジンを通じて、マーケティングと販売に重点を置き、特にアッパーファネルにおける取り組みで顧客と適切にエンゲージメントを図る方法を考えました。」

当時は、BoxeverのCDPが持つ、チャネルを問わずデータの統合と意思決定プロセスの構築を行う能力が、ジェットスター航空のセールスポイントの要でした。

Boxeverには航空産業に対する意欲的なビジョンがあり、ジェットスター航空はEメールやカスタマーサービスなど複数のチャネルにわたってパーソナライゼーションのテクノロジーを導入することを望んでいました。そのためBoxeverとジェットスター航空の意向が合致し、2014年から2015年にかけて、両社は団結して戦略的ロードマップにおける重要項目に取り組みました。それ以降、パートナーシップはますます強まり、昨年、SitecoreがBoxeverを買収したことでさらに強固なものになりました。

Sitecore CDPでコンバージョン率と収益を向上

CDPのテクノロジーは、ジェットスター航空におけるコンバージョン率の向上と収益の増加に寄与してきました。Hoefel氏は同社の成功にならい、自社ブランドのオムニチャネルでのカスタマーエクスペリエンスの向上を目指している企業に対して以下の最適化を推奨しています。

  • ウェブサイト上の主要イベントをタグ付けして基本的なトリガーを実行し、ウェブサイトとEメールを結び付ける。その上で、かご落ちを特定し、顧客にフォローアップメールを送信する。
  • データを集計し、それを活用してフライトや商品の閲覧者数を表示するメッセージを作成し、顧客のアクションを促す。
  • 最近の検索を表示する機能を設定し、顧客がファネルに戻って操作を中止したところから再開しやすくする。

ジェットスター航空は、付随する収益を増加させるために、現在Sitecore CDPで提供する、高度な意思決定テクノロジーを活用しています。セグメンテーションを行ったユースケースを通じて、預け入れ荷物や座席選択など、類似の顧客に基づいて次に最適な付随サービスを特定の顧客に提供しています。

また、ジェットスター航空はCDPの機械学習と高度なAIデータを活用しており、既知の顧客が特定の行き先を予約する傾向を判断しています。データはCDPを通じて、Eメールマーケティングや顧客がアクセスした際のサイトに反映されるほか、空席状況次第でビジネスクラスにアップグレードできるなど、顧客の行動に基づいて他のオファーを提供するオプションもあります。

テストファーストのアプローチ

ジェットスター航空は常に体験を最適化するテストファーストのアプローチに従っています。具体的には、商品チーム、マーケティングチーム、カスタマーサービスチーム、デジタル開発・設計チームなどの部門横断型のワークショップである「デザインスプリント」を実施しています。顧客やビジネスの問題を定義することによって、チームは仮説を立てて問題を解決できます。コードによる設計に取り組む前に、可能性のある解決策が試されます。Hoefel氏は、この方法は同社にとって実証済みの戦略となっており、最近では1週間に約40件の最適化テストが行われていると語ります。

Hoefel氏は、「他のステークホルダーからの支持を得ようと取り組む中で、なぜそれが有効的であるかを証明する、経験に基づいたデータを得られます」と語っています。

O’Flanaganはこのアプローチの初日から感銘を受けました。

「ジェットスター航空は、テストファーストのアプローチを実行した最初の顧客の一つです。今では、それが当社の推奨するアプローチとなっています。」

パーソナライズされたアプリ体験

ジェットスター航空のアプリは、旅行客一人一人にとって関連性の高い、パーソナライズされた魅力的な旅行コンテンツを提供することに重点が置かれています。また、同社は検索での体験をよりインタラクティブかつ直感的なものにしたいとも考えており、パーソナライズされたトリガーとなるメッセージを通じて、運賃、日程、目的地に関する有益な情報の提供を重視する予定です。

ジェットスター航空のビジョンは、コンテンツとコマースの分野を融合させて旅行者の不安を和らげる一方で、顧客の期待を高めることです。旅程の変更、フライトの遅延やキャンセルなど、重要な最新情報を迅速に通知することで、顧客は事態が掌握され、ジェットスター航空に守られていると感じてほしいと考えています。

パーソナライゼーションと意思決定の向上

Hoefel氏によると、SitecoreがBoxeverを買収したことで、ジェットスター航空のパーソナライゼーションと意思決定のプロセスがよりシームレスになったといいます。

「CDPとContent Hubの統合に伴い、意思決定の際に、適切なコンテンツをより容易に表示できるようになりました。」

ジェットスター航空は今後、柔軟性を高めるためにヘッドレスアーキテクチャを採用し、同社の開発者リソース活用の適正化に取り組みます。体験を提供するインフラに重点を置くのではなく、提供する体験とアプリケーションの構築に重点を移し、迅速な実現を目指しています。

よりスムーズなプロセスと革新的なカスタマーエクスペリエンスの実現は、ジェットスター航空と顧客にとって改善以外の何物でもありません。

Sitecore CDPとエキスパートサポートにより、お客様のデータ活用を次のレベルに引き上げるお手伝いをします。まずは、Sitecore CDPの画期的な機能の詳細ナレッジセンターをご参照ください。

Fiona Hilliard is a Content Marketing Manager at Sitecore. Connect with her on LinkedIn