医療人材支援のメディカル・プリンシプル社、CRMとの連携で、会員一人ひとりのニーズや状況に応じた情報提供を実現

医師のキャリア コンサルティング サービス「民間医局」を運営する株式会社メディカル・プリンシプル社が同サービスのサイト基盤を刷新。Sitecore Experience Platform とMicrosoft Dynamics CRMを連携させ、医師と医療機関の最適なマッチングと情報の一元管理の仕組みを構築した。


 

株式会社メディカル・プリンシプル社
ドクターズ事業部 第1セクション
鈴木 慎二氏

株式会社メディカル・プリンシプル社
情報システム部長
菅宮 一夫氏

課題: 求人情報のサイト掲載にタイムラグが発生。ビジネス機会の損失に繋がっていた

メディカル・プリンシプル社は、「すべては明日の医療のために」をモットーとし、医師・看護師の紹介事業を中心に、医療業界への多面的なサポート事業を展開している。医師向けキャリア コンサルティング サービスの「民間医局」、看護師に向けた同様のサービス「Nurse Partners」、医師向け医療機関情報サービス「MediGate」、医学生・研修医向けの臨床研修支援サービス「レジナビ」の4ブランドでサービス/サイトを展開している。全国に13の拠点を構え、医師/医学生の登録会員数約6万8,000人、取引医療機関約8,700施設に上る国内最大規模の医療業界ネットワークを強みに、紹介実績は年間で2万9,400件を超える。

「民間医局」では、医療機関への転職を支援するだけでなく、多岐にわたるサービスを提供している。同社ドクターズ事業部 第1セクション 鈴木慎二氏はこう説明する。 「常勤としての医療機関への転職を紹介するだけでなく、非常勤の紹介やキャリアサポート、医師賠償責任保険のような各種保険の取り扱い、会員誌『DOCTOR'S MAGAZINE』の発行など、医師の皆様一人ひとりの多様なキャリアとライフをトータルにご支援する仕組みを提供しています」

メディカル・プリンシプル社では、会員管理、医療機関管理、求人案件管理、マッチング システムなど、サービス拡充のたびに各種システム/機能をスクラッチで構築してきた。その結果、複数のシステムが効率的なデータ連携の仕組みを持たずにサイロ化。エージェントが複数の画面を見ながら医師や医療機関とのマッチングを行うなど、作業に時間と労力を要する状態に陥っていた。

「特に頭を悩ませていたのが、Webシステムと社内系の営業システムとでデータベースが別々に運用されていたことで、新規の求人案件や会員の登録情報がリアルタイムに反映できない問題でした」と鈴木氏は説明する。民間医局サイトのアップデートは、1日2回のバッチ処理で両データベース間のデータを同期させる方法で実施していた。そのため、最新情報をサイトへ反映するのに、最長で約1日のタイムラグが発生していたという。

「せっかく人気のある求人情報の掲載を依頼頂いても、掲載できずに他社で決まってしまったり、逆に、応募多数で掲載を取りやめたい際に非表示にできなかったりといったことが起こっていました。また、サイトの会員登録フォームから入力された会員データについても営業系システムに再度登録する必要があり、営業担当が情報をすぐに営業活動に活用できないといった問題も抱えていました」と鈴木氏は当時の状況を打ち明ける。また、保険商品の告知のような新規コンテンツを掲載する際には、外部の制作会社に都度依頼して、デザインやHTMLファイルの仕上がりを待つような状況だったという。

ソリューション: CRMとの連携性を高評価し、Sitecoreを選択

2012年に情報システム部が主導する形で、社内の営業系システムと「民間医局」サイト基盤の刷新を検討。営業系システムとサイト基盤の連携性が優れていることと、リアルタイムでサイト更新を行えることの2つを要件に開発パートナーの選定を開始。選定にあたって、情報システム部長の菅宮氏は、「RFPには構築手段は記載せず、ニュートラルに考え、開発会社の自由な提案をもとに検討しようと考えていました」と話す。「また、システムの機能だけでなく、我々のビジネスをどのように理解し、課題解決をどのように実現させるかを重要視しました」(鈴木氏)

各ベンダーから提案された複数の候補の中から、要件を最も高いレベルで満たすソリューションとして最終的に選ばれたのが、日本ビジネスシステムズ株式会社(以下、JBS)が提案した「Sitecore Experience Platform」と「Microsoft Dynamics CRM」とを組み合わせたソリューションである。

選定の決め手について、「お客様との重要な接点であるサイトのコンテンツ管理を容易とするWeb CMSを基盤に、顧客のエクスペリエンスを演出するためのデジタル マーケティング機能を統合したSitecore Experience Platformであれば、この先、CRMで一元管理する会員情報や売上げデータなどを高度に活用したマーケティング施策ができるようになると見込みました」と鈴木氏は話す。また、菅宮氏も「Sitecore Experience Platformであれば、MicrosoftDynamics CRMとWindows Server上でデータベースを一元化した連携の仕組みを容易に構築できます。医師や医療機関の担当者それぞれが求める情報を、最適なタイミングでタイムリーに提供できるという期待を持って選びました」と同ソリューションのポテンシャルを高く評価する。

導入の効果: マッチングの効率と速度を向上。地域医療への貢献を強化していく

両製品の構築経験を持つJBSの支援を得て、メディカル・プリンシプル社は、データ移行を含めた構築作業を順調に進め、2013年11月に、新しい「民間医局」サイトを無事リリースした。

新しく生まれ変わった「民間医局」サイトは、Webコンテンツを管理するSitecoreソリューションとDynamics CRMの連携の下、情報提供のスピードが格段に向上。以前のシステムでは最大で半日かかっていた医療機関からの求人情報を、リアルタイムでWebサイトに反映させることができるようになり、成約までのリードタイムが大幅に短縮された。

また、サイトの刷新にあたっては、会員視点でユーザーエクスペリエンス(UX)を見直し、案件の詳細をサイト上で確認できるようにしたり、診療科目や希望地域など検索に使用した条件を記録しておくことで、会員が次回以降、検索を容易に行えるようにしたりと多岐にわたる改善を図った。その結果、「求人情報をタイムリーに掲載し、適切な情報発信をすることで、民間医局以外で決まってしまうという機会損失を防いだうえ、既に成約した案件に対する問い合わせや、ミスマッチな応募が減ったことで、応募に対する成約率を約2倍効率化することができました」(鈴木氏)。

さらには、サイト上での新規のコンテンツやキャンペーンの立ち上げも、ページを「見たまま編集」できるなど直感的に操作できるSitecore Experience Platformの機能が作業負荷の削減に奏功。鈴木氏によれば、従来であれば約2週間を要していた、セミナー開催報告などコンテンツの作成業務が、新しいサイト基盤ではわずか数日で完了したという。

導入効果は簡便で迅速なサイト更新にとどまらず、機能面でも大幅な強化拡充を遂げている。例えば、利用者が急増中のスマートフォンへの対応については、求人検索と会員登録を中心としたコンテンツを自動でスマートフォン向けレイアウト表示を行い、PC向けコンテンツと合わせた一元管理の仕組みを整えている。

同社がとりわけ力を注いだのが、登録前のサイト訪問者と、会員となった医師または医療機関の担当者に提供されるメニュー内容を変えるといった、会員それぞれにパーソナライズされた新しいマイページである。「今後は、Sitecore Experience Platformに備わるパーソナライゼーション機能と、CRMとのデータ連携機能を巧みに組み合わせ、例えば、ログイン後のマイページをパーソナライズし、会員個々のキャリアプランや希望条件に即した情報をタイムリーかつ的確に提供できるようにするなど、医師の皆様一人ひとりにとって、最適な医療機関をご紹介するための仕組みをさらに磨いて、医療従事者の皆様のお役に立ち 、ひいては地域の医療に貢献していきたいと考えています」(鈴木氏)

「民間医局」サイトには、常勤の転職先を探している医師だけでなく、非常勤・アルバイト先を探す医師も、それぞれの希望条件やキャリアプランを持って訪れる。また、転職に限らず、保険の申し込みや『DOCTOR’S MAGAZINE』の購読など、サイトに訪れる目的も実にさまざまだ。鈴木氏は、取り組みはまだ始まったばかりとしながらも、会員個々のニーズに寄り添った情報・サービスの提供にあたってはパーソナライゼーションのさらなる拡充が欠かせないとし、今後の構想を語る。

「現在、主にSEOの目的でGoogle Analyticsでのサイト分析を行っていますが、分析で得られた洞察をSitecore Experience PlatformとCRMで活用し、サイトやメールマガジンからの、会員への緊密な情報提供に反映させていけたらと考えています。その段階に達したら、いよいよSitecore Experience Platformならではのデジタルマーケティング機能も本格活用することになります」