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DIGITAL EXPERIENCE 101

デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)
とは?

今日の顧客主導型市場におけるデジタルエクスペリエンス プラットフォーム (DXP) の台頭と役割について探ります

チャプター 1

デジタルエクスペリエンス
プラットフォームの定義

ガートナーは、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)を「それぞれの状況に合ったデジタルエクスペリエンスの構成、管理、提供、最適化をサポートするコア・テクノロジーの統合されたセット」と定義しています。

非常に的を得た定義です。しかし、その重要性を理解するには、一歩引いて考える必要があります。

今日のデジタル世界において、組織は、コミュニケーション(話すことと聞くこと)を通じて関係性を構築することで競争力を維持しています。

組織は、情報を発信する(話す)ためにコンテンツを使用し、聞くためにデータを使用します。どちらも、消費者との関係性を構築するために使用されます。

デジタルエクスペリエンスプラットフォームでは、組織に統合された一連のツールを提供し、顧客や見込み客、パートナー、従業員、その他のオーディエンスとの対話を通じて、有意義な関係性を育むことを可能にします。

チャプター 2

デジタルエクスペリエンス
プラットフォームの進化

対話をすることは簡単そうに聞こえるかもしれません。しかし、今日の複雑な世界では、そう簡単ではありません。ウェブサイト、Eメール、モバイル アプリ、カスタマーポータル、ソーシャル プラットフォーム、IoTデバイス、仮想および拡張現実デバイス、店内キオスク、デジタルサイネージ、POSシステムなどにコンテンツを配信するだけでなく、それらに経験を結び付ける必要があります。

一人当たりのデバイスの平均接続台数は3.6台で、ほとんどの人は購入経路において複数のデバイスを使用しています。単にコンテンツを各チャネルに配信するだけでは十分ではなく、明確な成果に向けて人々との関係性を育成する、一貫性があり、接続され、継続的なエクスペリエンスに統合される必要があります。Googleの報告によると、顧客の購入経路には20~500のタッチポイントが存在する可能性があり、このような場合に特に重要になると言えます。

例えば、Instagramで購入したばかりの製品を宣伝するメールを受け取りたい人はいないでしょう。あるいは、プロモーションメールのリンクをクリックしても、検討中の製品のページではなく、会社のホームページに移動してしまうメールを受け取りたい人はいないはずです。

デジタルエクスペリエンスプラットフォームは、このような今日の課題に対応するために進化しました。

CMSからWEM、WEMからDXPへ

最初のコンテンツ管理システム(CMS)は、1980年代後半から90年代前半の間に登場しました。CMSは、パンフレットのような静的コンテンツの構築を可能にしました。90年代後半までに、組織はソーシャルウェブの起源となる動的コンテンツを提供し始めました。

ユーザー生成コンテンツとモバイル機器の台頭によりソーシャルウェブが拡大するにつれ、よりパーソナライズされたエンゲージメントとより深いビジネス統合の必要性から、 ウェブエクスペリエンスマネジメント (WEM) というソリューションが生まれました。組織は、WEMを活用してエンゲージメントデータを収集し、ペルソナを構築して、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを提供し始めました。

しかし、WEMシステムの問題点は、マーケティング部門に向けて設計されているため、CRMやERPなど、組織の他のテクノロジースタックに接続するのが難しいことでした。

保険会社を例にとってみましょう。マーケティングの結果、ターゲットとなった見込み客の中には、自社のウェブサイトにアクセスして見積もりを申し込む人もいました。しかしながら、サイトがWEM上にあったため、これらの見込み客とその情報を営業担当者に渡す簡単な方法は存在しませんでした。このようなセールスループの終わらせ方は、効率的でも流動的でもなく、多くの見込み客が失われることになってしまいました。

デジタルエクスペリエンスがあらゆる業種と規模の組織にとってますます重要になり、テクノロジーソリューションが急増するにつれて、より深い統合の需要が高まり、ヘッドレスのマイクロサービスアーキテクチャの台頭につながりました。

同アーキテクチャの台頭により、次の2つのことが提供されるようになりました。

まず、CRM、コマースシステム、コールセンターなどの他のシステムとの統合が可能になり、それぞれの体験をより適切に接続できるようになりました。そして、上記の保険会社のような企業は見込み客を追跡し、販売に繋げ、セールスループを効果的に終わらせることができるようになりました。

第二に、マーケティング担当者と企業がこれまで以上に顧客中心になり、よりオムニチャネル的な考え方を取り入れることができるようになりました。

上記の2つの機能が可能になったことで、デジタルエクスペリエンスプラットフォーム (DXP) が、チャネルやデバイス間でシームレスかつ完全に統合されたカスタマーエクスペリエンスを購入経路全体で提供する道が切り開かれました。

プラット­
フォーム  
  使用事例
CMS 従来のデスクトップウェブサイトとモバイルウェブサイトでテキストと画像のコンテンツを作成および管理する。
WEM CMSの拡張:デジタルマーケティングおよびコマースチャネルにコンテンツを配信する。顧客の行動を理解して、ニーズによりよく対応するための分析が含まれている。
DXP WEMの拡張:チャネルやデバイス全体の間で、並びにカスタマージャーニー全体を通じて、完全に統合されたシームレスなデジタル エクスペリエンスを提供する。

消費者が主導権を握る時代

この変動の間に、別の現象the age of the consumerも発生しました

Googleで検索するたびに、消費者の知識が増加しました。オンラインで購入する新しいオプションが追加されるたびに、その知識は増大しました。Amazonでの取引ごとに、消費者の期待は拡大しました。

ビジネス用製品の購入、自分の買い物、勤務先の会社とのコミュニケーションなど、あらゆるやり取りに対する期待が高まっています。

2016年初期のマッキンゼーによる調査によると、顧客の4分の3が「オンラインで連絡を取ってから5分以内に「すぐに」サービスを利用できることを期待している」ことがわかりました。 2018 年のSalesforceの調査によると、今日の顧客の76%は、企業が自分たちのニーズと期待を理解してくれることを期待しているという結果が出ています。多くの状況において、今日の主な競争上の優位性は、製品でも価格でもなく、カスタマーエクスペリエンスです。

パンデミックが発生して以降、研究により、パーソナライゼーションがさらに重要であることが証明されています。消費者の4分の3 以上 (76%) は、パーソナライズされたコミュニケーションの受信が企業・製品の検討を促す重要な要因であると述べており、78%はそのようなコンテンツが再購入の可能性を高めていると述べています。

消費者の行動は、高まる期待に加え、デジタルが提供する主導権を彼らが握るようになり、変化しました。検索からウェブサイト、取引への直線的な流れの代わりに、消費者は現在様々なフェーズで様々なデバイスを使用して、購入を検討しています。

今日における消費者の高まる期待と多様な行動に対応するために、組織は、デバイスやエンゲージメントの理由に関係なく、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供する方法を必要としています。これを可能にするには、チームの調整、プロセスの合理化、システムの接続、多くの場合ワークフローの変換を行い、人々が期待するカスタマーエクスペリエンスを提供する必要があります。

チャプター 3

デジタルエクスペリエンス
プラットフォームとデジタルトランスフォーメーション

デジタルエクスペリエンスプラットフォームは、組織がオーディエンスコミュニケーションを取るために必要な接続ツールを提供するだけでなく、カスタマーエクスペリエンスを向上させるために必要な組織の変革を助長するテクノロジーも提供します。

ほとんどの組織のデジタルトランスフォーメーションにはデジタルエクスペリエンスプラットフォームが必要ですが、新しいソリューションを購入するだけで変革ができるほど簡単ではありません。

例えば、サイト全体でエクスペリエンスを追跡することから始めることができますが、真のデジタルトランスフォーメーションには、思考と実行における組織の変化が必要になります。つまり、サイロの結び付け、チームの構築、アジャイルワークフローへの移行、フィードバックループの作成、顧客データ・キューの継続的な評価と対応などを実施する必要があります。

コンポーザブルな(複数の要素や部品などで構成や組み立てが可能な)デジタルエクスペリエンスプラットフォームにより、柔軟性とビジネスの俊敏性を実現することができます。コンポーザブルなDXPのコンポーネントは、完全にオールインワンのデジタルエクスペリエンスプラットフォームではなく、独立して機能し、API を介して相互通信できるパッケージ化されたビジネス機能-Packaged Business capabilities (PBC) として動作し、これにより、オムニチャネルエクスペリエンスを促進し、まだ定義されていない相互作用ポイントにも対応できるようになります。

チャプター 4

デジタルエクスペリエンス
プラットフォームの利点


DXPが
提供する機能
組織の利点 オーディエンスの利点
統合
コントロール
センター
PBCを慎重に管理するための一元化された場所であり、CXタスクを実行するための単一ログインポイントを提供する 接続され、一貫した体験 
コンテンツの
柔軟性
ハイブリッドヘッドレスアーキテクチャおよびマイクロサービスアーキテクチャを使用してすべてのチャネルで同じコンテンツを配信し、チームの制限をなくしてより良いエクスペリエンスのためにより多くのコンテンツを作成できる 優先チャネルおよび新たなエンドポイントでオムニチャネルエクスペリエンスのより良い配信を受けられる
より良い
パーソナライゼーション
CRM、コンタクトセンター、ソーシャルメディアなどの他のシステムと接続し、各顧客の360度ビューが提供される。これにより、直感的なダッシュボードと機械学習による深い洞察力を強化できる 一貫した顧客データは、タッチポイント全体での正確なパーソナライゼーションにより、カスタマージャーニーから摩擦を取り除き、人々をコンバージョン/エンゲージメントの道に保ちます。
将来を見据えた適応性 新しいテクノロジーに適応し、デジタルの成熟度の高まりや新興テクノロジーの出現に合わせてオーディエンスとつながる能力が得られる 好きな時に好きな方法で接続できる
一元化された
データ機能
DXP内のコンポーネントとして、Sitecore CDPはデータサイロを排除する 様々な顧客タッチポイントからの完全な360度プロファイルにより、顧客行動の一元化ビューを提供し、エンゲージメントのチャネル全体で一貫し、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを促進する
マーケティングの
自動化と
パーソナライズされた
メールキャンペーン
Sitecore Sendでメールキャンペーンを簡単に管理、拡張、自動化 関連性の高いタイムリーなキャンペーンにより、信頼を構築し、長期的な関係を育むことができる
AIを活用した
検索により、
関連性の高い
コンテンツを
表示
Sitecore SearchのAIとコンテキスト認識ルールを使用して、個々の訪問者の意図をリアルタイムで理解し、それに基づいて行動できる 個別化された結果とパーソナライズされた検索エクスペリエンスにより、探しているものを簡単に見つけることができる
接続性の高い
技術スタック
Sitecore Connecにより、技術スタックのすべてのコンポーネントが適切に機能し、その潜在能力を最大限に活用できる オムニチャネルエクスペリエンスの設計

チャプター 5

未来はコンポーザブル

コンポーザブルな未来を完全に取り入れるには、クラウドネイティブのCMSが不可欠です。CMSは、マーテックエコシステムの中核として機能します。コンテンツエクスペリエンスは、カスタマーエクスペリエンスであると言えます。コンテンツがなければ、企業はデータを活用してパーソナライゼーションを行うこともできません。Eメールから製品情報に至るまで、個人に合わせたエクスペリエンスを作成するには、コンテンツが不可欠となります。

honeycomb

デジタルトランスフォーメーションに取り掛かる企業にとって、パーソナライゼーションと分析機能が組み込まれたクラウドネイティブのSaaS CMSは、DXPの構築における強力な基盤を提供します。

成長の次の段階に着手しようとしている多くの組織にとって、デジタルエクスペリエンスプラットフォームは今や必要不可欠なパズルのピースであると言えます。

多くのチームは、エクスペリエンスの提供やデータ収集などのダウンストリームのニーズだけでなく、デジタル資産の管理や共同コンテンツの作成などのアップストリームのニーズも必要であることを理解しています。デジタルエクスペリエンスプラットフォームは、他のシステムと流動的に接続し、エンドツーエンドのコンテンツ管理を提供できなければなりません。

今日、デジタルはすべてにおいて変革をもたらしました。これは、様々な業界や規模の組織にリスク (混乱) と機会 (顧客志向のエンゲージメント) の両方をもたらしています。デジタル時代の絶え間ない進化に順応するには、組織におけるデジタルエクスペリエンスプラットフォームも変化に順応できなければなりません。

Sitecoreのデジタルエクスペリエンスプラットフォームについては、こちらをご覧ください。

クイックインサイト

デジタルエクスペリエンスプラットフォームでは、組織に統合された一連のツールを提供し、オーディエンスとの対話を通じて、有意義な関係性を育むことを可能にします。

デジタルエクスペリエンスの強力なプラットフォーム

サイトコアのエンドツーエンドのコンテンツ管理とeコマースソリューション。