第1章

より深いアナリティクスが必要な理由

ブランドのオンラインマーケティングの成功を測定するための従来の方法はクリック数、コンバージョン数、新規訪問者数などの数量を測定するものでした。 しかし、このアプローチは3つの大きな欠点があります。

1つ目は、これらの基本的な数量からは、顧客のブランドに対する信頼やコミットメントに関する情報を分析することはできません。 2つ目は、この従来のアプローチは貴社のWebサイトでの顧客のやり取りのみを考慮し、ブランドとの全体的なマルチチャネルエクスペリエンスは考慮していません。 そして3つ目は、コンバージョン率は特定レベルのコミットメントを示しますが、既存のWebアナリティクスダッシュボードではマーケティング担当者がこの情報を掘り下げることは困難です。

Sitecoreなら、ブランドが顧客を理解できる独自の方法で貴社を転換させます。 これは、Sitecoreがメール、モバイルアプリ、ソーシャルメディア、対面でのやり取りからのデータを統合する「個客」エクスペリエンスに焦点を当てているからです。 また、顧客のブランドに対するエンゲージメントやコミットメントのレベルを重要な瞬間に簡単に把握することができます。

第2章

Sitecore Experience Analyticsの仕組み

Sitecore Experience Analyticsでは、従来のアナリティクスが提供する数量を測定できるだけでなく、顧客のやり取りの質も測定できます。 この2つを組み合わせて相関関係を得ることにより、顧客のブランドとの全体的なエクスペリエンスをより深く理解できます。

Sitecore Experience Analyticsは「エンゲージメントバリュー」と呼ばれる測定基準を使用しています。 Sitecoreのセットアップ時に、行動の目標達成への貢献度に応じてコンバージョンの各種類に異なるエンゲージメントバリュースコアを割り当てます。

たとえば、製品シートのダウンロードには「10」のエンゲージメントバリューを割り当て、リードから売上に転換する可能性が高いエージェントとのチャットには「100」のエンゲージメントバリューを割り当てます。 訪問者がWebサイト内を移動してやり取りを重ねることでポイントを集め、累積的なエンゲージメントバリューを獲得します。 コンバージョンの数だけでなく、そのコンバージョンによって目標にどの程度近づけたかを理解することにより、何にマーケティング予算を費やせば大きな影響を手にできるかを把握できます。

Sitecore Experience Analyticsのもう1つの測定基準は「訪問1件あたりの価値」で、マーケティングパフォーマンスに関する詳しいインサイトを提供します。 この測定基準は訪問1件あたりの平均的なエンゲージメントバリューを示し、プラットフォーム別にキャンペーンの効果を確認することができます。

Sitecore Experience Analyticsの仕組み

たとえば、GoogleとBingでまったく同じ2つのキャンペーンを実施したと仮定します。 Sitecoreにより、Bingからの訪問者はGoogleからの訪問者よりも2倍のエンゲージメントバリューを獲得したことがわかりました。 これは、Bingで実施した広告の方が訪問1件あたり価値が高く、Bingの方が質の高いリードを誘導することを意味します。

第3章

エンゲージメントバリューがやり取りの質を測定する

エンゲージメントは信頼と貢献の証です。 顧客は何かを交換することにより貢献(例:ニュースレターの登録フォームを入力)を行います。これはブランドへの信頼の表れです。 ブランドの信頼が高まるにつれて、顧客はより誠実になります。

たとえば、ユーザーが貴社のWebサイトに初めて訪問したとします。 Webページに訪問するだけであれば、情報を一方向に提供するだけのため、信頼やコミットメントはそれほど必要ではありません。 そのため、このやり取りの品質やエンゲージメントバリューは低いことを意味します。 このユーザーがニュースレターに登録したとしましょう。 このユーザーはブランドが提供する情報にとても興味があるため、高いエンゲージメントバリュースコアが与えられます。

このユーザーは時間を取ってニュースレターを読むため、ブランドへのコミットメントが高まっていると言えます。 このサイクルを繰り返すと、このユーザーのエンゲージメントバリュースコアがますます高くなり、やがて売り上げや戦略目的の達成につながります。

エンゲージメントバリューにより、クロスチャネルマーケティングイニシアティブを同一条件で比較することができます。 これは、エンゲージメントバリューが高いイニシアティブの収益が高くなる傾向にあるためです。

エンゲージメントバリューをコミットメントに割り当てる

Webサイトへの訪問者は貴社のビジネスに応じて、ブランドへのさまざまなコミットメントを示します。

たとえば、貴社がオンラインストアを運営している場合、売上が明確なコミットメントです。 この場合、エンゲージメントバリューを購入額に設定します。 売上が高くなるほどコミットメントが大きくなります。

その他のコミットメントの種類には、営業電話のリクエスト、メールやオンラインチャットでの質問、またはアカウントの作成が含まれます。 これは「取引コミットメント」と呼ばれ、ページの閲覧や資料のダウンロードよりも深いコミットメントが必要になります。

訪問者が最終目標の達成に貢献するかどうかに基づいて、これらのコミットメントにエンゲージメントバリューを割り当てます。 たとえば、貴社の目標が売上増加の場合、エンゲージメントバリューをニュースレターの登録には25ポイント、デモのリクエストには50ポイント、見積もりのリクエストには100ポイントを割り当てます。

貴社のWebサイトが取引コミットメントを示すエンゲージメントの機会を持たない場合、閲覧される特定のページやダウンロードされる特定の資料にエンゲージメントバリューを割り当てます。 これらの「参照コミットメント」は注意して使用する必要があります。訪問者がこれらのコミットメントを自らの意思で行っているのか、貴社の取り組みが功をなしたのかを判断するのは難しいためです。 参照コミットメントはエンゲージメントバリューを割り当てる場所がない場合にのみ使用します。

マーケティング予算を特定のチャネルに計画もなく費やして、最高の成果が出ることを運任せにしていませんか? サイトコアのエンゲージメントバリューなら、予算を最も効果的に活用できる箇所をピンポイントで狙えます。

第4章

エンゲージメントバリューがマーケティング部門をより効果的にする方法

リードの質を理解する

以下を実際のシナリオとして考えてみてください。 貴社はFacebookやLinkedInの広告キャンペーンに膨大な額を費やしました。 貴社のWebサイトのトラフィック量は急増し、Facebookから2,000人、LinkedInから500人の訪問者がアクセスしました。

従来のWebアナリティクスダッシュボードでは、「Webサイトへのトラフィックが増加したためキャンペーンは成功であった」、「Facebookの方が訪問者数が多かったため、今後のキャンペーンはFacebookに投資すべき」という2つの結果が出ました。

しかし、Sitecoreならエンゲージメントバリューの測定基準を活用してまったく新しいインサイトを入手できます。 Facebookは4倍のトラフィックを誘導しましたが、貴社のビジネス目標である「リードの質」という観点では、パフォーマンスが低いと言えます。

一方、LinkedInからの訪問者のエンゲージメントバリュースコアは高く、これはブランドとの有意義なやり取りやコミットメントが高いことを示しています。 LinkedInの訪問1件あたりの価値はさらに高いことから、LinkedInへの投資の方が効果的だったことがわかります。貴社はこの知識を使用し、今後のキャンペーンでマーケティング費用を最大限に活用することが可能になります。

最適化するコンテンツを見つける

エンゲージメントバリューと訪問1件当たりの価値の測定基準を使用し、貴社のコンテンツの効果を把握することもできます。 通常、従来の測定基準は1ページあたりの訪問者数、平均滞在時間、バウンス率を示しますが、 この情報では全容はつかめません。

たとえば、貴社のWebサイトの1ページあたりの訪問者数が最も高いのがホームページの場合、パフォーマンスが最も高いページだと誤解しかねません。 Sitecoreで測定すると、ホームページの訪問1件あたりの価値は2.66で、とても低いことがわかります。 一方、最も効果が高い「ベンチマークページ」の訪問1件当たりの価値は19.51でした。

最適化するコンテンツを見つける

このようにWebサイトと訪問者を完全に把握することで、以下の2つの行動可能なインサイトを入手できます。 1つ目は、訪問1件あたりの価値を増加させるために、テストやパーソナライズを使用してホームページを最適化する必要があること。 2つ目は、ベンチマークページへのトラフィック量をさらに増加させること。このページのスコアは高く、すでに最適化されていることから、このページへのトラフィックを増やすことでコンバージョンを増やすことができます。

プロファイルを使用して訪問者の行動を把握する

Sitecore® Experience Platform (XP)なら、Webサイトでの顧客の行動をトラッキングするコンテンツプロファイルを構築できます。 通常、各プロファイルはサイトの関心度、製品カテゴリ、リードスコア、ペルソナに基づいています。これらはWebサイト訪問者の一般的な行動やニーズを示す架空の特性です。

サイトコアの内蔵レポートでは、さまざまなプロファイルに一致するWebサイト訪問者数を確認することができます。 この情報を使用して各セグメントの規模や経時的なトラフィック量を理解することにより、 訪問者についての詳細がより把握しやすくなります。

プロファイルを使用して訪問者の行動を把握する

内蔵レポートにより、各ペルソナの訪問1件あたりの価値をより深く掘り下げることができます。 エンゲージメントがすでに高いペルソナや、最適化に焦点を当てるべきペルソナを簡単に確認できます。

たとえば、貴社が所有するペルソナのうち、「スマートでエンゲージメントが高い」ペルソナに一致する訪問者は訪問1件あたりの価値が高く、エンゲージメントも高いと言えます。 同時に、「アプライアンス」ペルソナはWebサイト訪問者の大部分を占めますが、これらの訪問者の訪問1件あたりの価値はとても低いことがわかります。 この場合、「アプライアンス」ペルソナの最適化に焦点を当ててコンバージョンを促進し、ブランドに対するコミットメントを高める必要があります。

プロファイルを使用して訪問者の行動を把握する

第5章

Path Analyzerでエンゲージメントを可視化する

Sitecore Path AnalyzerはWebサイト訪問者を視覚的に理解できるもう1つの方法です。 Path AnalyzerはWebサイトを通して各ペルソナのジャーニーのマップを生成し、色付きノードを使用してジャーニーの各ポイントを示します。 色のスペクトラムの一方が緑色のノードである場合は、エンゲージメントバリューレベルが高いことを意味します。 もう一方が赤色のノードである場合は、エンゲージメントバリューレベルが低いことを意味します。 また、エンゲージメントバリューが高まると、ノードのサイズも大きくなります。

Path Analyzerでエンゲージメントを可視化する

Sitecore Path AnalyzerでPage Analyzerを掘り下げることもできます。 この可視化を活用してビジネス目標に貢献しているページや最適化が必要なページを把握できるため、ペルソナに合わせてパーソナライズを演出することができます。

Path Analyzerでエンゲージメントを可視化する

Webサイトで価値を提供していない部分を把握する

Sitecore Path Analyzerマップのもう1つの重要な特長は各ノード間のパスの幅です。 2つのノード間の幅が広いほど、そのパス上のトラフィック量が高いことを意味します。 そのため、ノードが赤色でパスの幅が広い場合は、そのパス上にはビジネス目標に貢献していないトラフィックが多いことを示しています。 これらのパスに焦点を当て、最適化する方法を見つける必要があります。

たとえば、あるパスが貴社のホームページから開始され、ノードが全体的に赤色の場合は、ホームページそのペルソナの特定のパスを削除するか、少なくとも削減するように最適化を図る必要があります。 これにより、訪問者は求めている情報を見つけやすくなります。 Path AnalyzerおよびPage Analyzerは、Webサイトを最適化するために効果的な情報と効果的ではない情報に関する明確な手がかりを提供します。

エンゲージメントバリューを最適化する必要性

エンゲージメントバリューは企業にとって最適な成果を生み出すように最適化します。 既存のテストを使用してクリックスルー率や特定のコンバージョン数を最適化できますが、 このアプローチではある特定の項目のみを最適化するため、知らない間に他の重要なコンバージョンを低下させてしまう恐れがあります。

エンゲージメントバリューは戦略目的と密接につながっているため、最適化する項目によって目標達成が左右されることを実感できます。 そして、Path Analyzerマップのようなツールでは、 Webサイトのどの部分で改善が必要か、重要なコンバージョンに直接的な相関関係が必要かを明確に確認できます。

第6章

Experience Analyticsがマーケティングを成功へと導く理由

Sitecore Experience Analyticsは、顧客になる可能性が高い高価値の訪問者とエンゲージメントした方法と場所を明確に示します。 このような深いインサイトがなければ、メッセージをパーソナライズして顧客に関連性の高い情報を提供する機会を逃してしまいます。

マーケティングの効果をさらに高めるには、ブランドとのやり取りをもとに顧客にエンゲージメントを行う必要があります。 端的に言うと、顧客を「獲得」しなければならないのです。 Experience Analyticsはすべてのマーケティングチャネルで顧客の場所に関わらず対応し、逃してしまう機会も収益へと転換します。